月光町 フクロウものクラブ

   1.コノハズクとは(Wikipedia)    4.コノハズクとの出会い
   2.コノハズクの鳴き声
   3.東京都内での生息状況
コノハズク   東京都のレッドリストでは、西多摩地区で絶滅危惧ⅠB類(EN)とされています。



日本に生息するのは亜種コノハズク Otus sunia japonicus
 
2.コノハズクの鳴き声
  
「ブッポウソウ(仏法僧)」とか「ブッ キョッ コー」と表現されるコノハズクの鳴き声。その特徴的な鳴き声は昔から多くの人を魅了してきました。しかし、その鳴き声については、ほとんど研究されていないようです。過去の論文を探してみると、コノハズクの鳴き声について、3つの記述を見つけることができました。
  ① 若い個体は「キョッ コー」と、2声(2要素)で鳴く。
  ② 雄は低い声でゆっくり鳴く。雌は高い声で普通に鳴く。
  ③ 雄は「仏法」と鳴き、雌が「僧」と応えて鳴く。
  
上の3つの記述、私は全て正しくないと考えています。
しかし、今や幻の鳥とも言われるコノハズク。 
観察できる機会も少ないので、その鳴き声を調べるのも困難な状況です。
 
鳴き声のページで観察地点別に鳴き声をまとめました(ノイズ(=沢の流れる音)が大きいので注意)。 
これを聞くと、鳴き声にも個性があることが分かります。
 
  ………………………………
 
コノハズクが鳴いている時、同じ場所あたりで別のコノハズクが一緒に鳴きだすことがあります。
こうした2羽で鳴く行動は、定常的に観察されるため、テリトリー争いではなく、つがい間の鳴き交わしと考えられます。 
既往の文献では、雌の方が声が高いとするものと、逆に低いとするものがあります。近縁のEurasian Scops Owl(Otus scops)では、雌の声の方がやや高いことが知られています。しかし、同一個体でも声の高さが変化することもあり、声の高さだけで雌雄を識別するのは困難だと思われます。

  の声と、の声で鳴き交わす様子。2羽ともに「キョッ コー」と2声で鳴いています。
    
  
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3.東京都内での生息状況
    
東京都産鳥類目録2000 Ver.1.01の自治体別目録でも、コノハズクの繁殖状況や生息状況について殆ど記載がありません。
登山が必要となるような山奥での生息状況は明らかではありませんが、各種調査データを見る限り、東京都内では、もはや絶滅寸前と言えそうです。 
現在の繁殖状況についても全く分かっていません。 いくつかの生息地で、つがいと思われる鳴き交わしが観察され、繁殖期を通じて鳴き声が聞こえるので、繁殖している可能性は高いと思います。 
 
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4.コノハズクとの出会い  
  
2012年5月のある朝、道路沿いの樹林で鳴いているコノハズクを発見しました。 翌朝にカメラを持って再訪してみると、前日とほぼ同じ場所にとまっていたので、コノハズクを撮影することができました。 コノハズクを見るのは3回目でしたが、撮影したのは初めてです。
写真の個体が鳴く度に、近くで別の1羽が鳴き返していました。 
 
鳴く時は、喉を膨らませたり、へこませたりします。   
撮影した個体は羽色が赤っぽい赤色型(柿ズク)でした※1。  観察者達から「柿太郎」と名づけられました。  
※1 日本に生息する亜種Otus sunia japonicusには赤色型が多い(very frequent)とされています。
  
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